介護道楽・ケア三昧

■このブログは、私（山崎）が清山会医療福祉グループの役職者向けメーリングリストに投稿した原稿の一部を配信するものです。

お疲れさまです。山崎です。清山会MLから送信します。
先日、1週間ほど印度に行ってきました。炎天下に、生きているとも死んでいるとも判然としない嬰児を抱き抱えながら、平然と物乞いをする幼い子供たちに囲まれて、・・・・

あるいは小児麻痺やハンセン氏病すら哀れみの道具と変えてしまう人間のしたたかさに気おされて、ビミョーな気持ちになりました。下層カーストの不条理な貧困をも飲み干してしまう巨大な雑踏。10億人のむせ返るような混沌。人口暴発という生（性）命の怪物に、呑み込まれた青い日本人、といった図であります。

「私は胸がつぶれるような気がした。あまりにひどい光景に接すると、私は冷静な社会科学者であったりすることの到底出来ぬ人間であるから、問いたいこと聞きたいことがいくらあっても、黙ってしまうのである。それを問いただすことが、そこにそうやって生きている、同じ人間である人々に対する侮辱をあらわしたりすることになりはせぬか、と思うような傾きがある。（堀田善衛．インドで考えたこと．岩波新書）」

そういう善人じみた気持ちの一方で、憂うつを免罪符にしながら観光を続ける自分にも、打ちとけた白々しさを禁じえませんでした。その違和感から逃れたくて、僕は彼らに話しかけ、ポーズを求めながらバチバチと写真を撮りました。それは、やはり白々しい交流であったかも知れません。が、伏し目がちに彼らを覗き見た自分から、少し解放されたような気もしました。その写真の何枚かを、来週の全体運営会議でご紹介したいと思います。